>Requiem

その62・・・「震災に学ぶ」・・・・

今年の春中学生になったマシンは震災当時2歳でした。
小学校を卒業前に学年の子ども達が「震災に学ぶ」という
文集を発行しています。サブタイトルは「阪神淡路大震災当時
1〜2歳だった子どもたち」

ほとんどの子どもが震災を体験していて、ほとんどの子どもが
震災当時のことを覚えていません。なので、親や親戚に聞いたことを
元にして書いているのですが、数人覚えている子どもがいました。
ぱっと目が覚めた時のカーテンの色、暗かったこと、怖くて泣いた事。
そして全く覚えていない子どもでも、家具の下敷きになっていたのを
引っ張り出されたりなど、救助されたという子どもも数人いました。
そう言う体験は後にトラウマとなったりしないんだろうか?
突然暗い中に閉じこめられた事が何か心の傷になったりしないだろうか?
今さらながら心配になります。

すると、一人、当時を全く覚えていないのに、なぜか小学校低学年まで
「揺れるもの」がすごく嫌いだったという子どもがいました。
風で揺れる蛍光灯のヒモ、揺れるブランコ・・・とにかく揺れるものが
イヤだったそうです。自分では全く地震を覚えていないのに・・

お母さんが妊婦だった子ども、お父さんが夜勤でいなかった子ども
お父さんが重傷を負いながら自分を助けてくれた子ども
震災当時は違う地域に住んでいたので、ほとんど震災のことを知らず
テレビで報道がある度に「かわいそうだな・・」くらいの
感想しかもっていなかった子ども

もしかしたら子どもに限らず、被災しなかった他の地域の人達は
「かわいそうだな」くらいにしか思っていなかったかもしれません。
でもこの子は震災の授業を通して、いろいろ考えるようになったそうです。

「自分に何か出来ることはないかな?」

そう思えるようになっただけでも、大きな収穫です





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