>Requiem

その5・・・・震災の夜・・・

ちょうどおとといの朝、夜明け前に地震がありました。
震度は3くらいだったとか。
眠っている私が気が付くくらいの揺れでした。
マンションが耐震だから、震度3でもぐらぐらっ・・・という揺れではなくて
ゆらぁん、ゆらぁんと言う、こんにゃくを縦にして揺らしたような揺れを
感じました。
半分以上も夢の中で、このまま揺れがひどくなったらどうしよう・・・・
やっぱり、まだ地震は怖いです。軽い揺れでも。

震災の夜。ダンナも帰ってきて、なんとかご飯も食べて一安心。
被災地の事はテレビでしか見なかった私に対して、
ダンナは、会社までの道のりや、これまた被災地にあった会社での
被害を目の当たりにしていました。
夜になっても、もちろん大小の余震は続いています。
暗くなる分、不気味さは増すし、時折、大きな揺れもあって
だんだん、今揺れているのか揺れていないのかすら
わからなくなって・・・・・・・・・・・・・
そして、ガラスのコップに水を入れて、テーブルの上に置いたのです。
かすかな揺れでも、コップの水がさざ波だって、地震だったと
教えてくれる。
なんの意味があるのか、と問われると安心したいから、と答えるしかない。
コップの水が静かであれば、今は揺れていないと安心できる。
そんな小さな安心にもすがりたい、不安な夜でした。

親の不安は、さらに小さな子供には敏感に伝わって
当時2歳だったましんが、ぐずぐずとぐずってなかなか寝付きません。
それまで寝ていた部屋は倒れてきそうな物が多かったので
別の部屋に布団を無理矢理敷いて寝たので、狭苦しいし、
ただでさえ、不安な親達はかまってもやれない。
すると、4歳になったばかりの、まだ赤ちゃんっぽさの残っていた
りくが、ましんをなだめておとなしくさせたのです。
今までそんなお兄ちゃんらしいことをしたことも、要求したことも
なかったのに・・・
子供達にもずいぶんと我慢を強いたものです。
覚えていないだろうけれど。


その6へ