>Requiem

その1・・・・あれから4年・・・


当時2歳だったましんが、この春小学校に入学する。
4年の月日とは、そう言うことだ。
りくは、まだ4歳だったのに、あの日を境に、お兄ちゃんになった気がする。

あのころ、テレビのニュースでは、毎日被災地の様子が映し出されていた。
忘れられない光景がある。
がれきの山にしか見えない、全壊した家。。家。。家
散らばった家具や、生活必需品は意味をなさない「モノ」にしか見えなかった。
その中に、それはあったのだ。
KinKiKidsファーストコンサートのパンフレット。
表紙の二人は奇蹟のように、綺麗なまま笑っていた。

震災の3日前、1月14日に、大阪厚生年金会館で、KinKiの追加公演が
行われていた。持ち主の少女は、その公演に行っていたんだと言う。
そうして、17日。犠牲になった。
14日の大阪公演で、同じ会場にいて、同じ感動を味わった。
また、夏も冬も、CDデビューを同じように喜ぶはずだった。

見ず知らずの、たった一人の少女の事を思うと、今も涙を禁じ得ない。
今でもコンサートやイベントに行くたびに、思い出す。
本当なら、ここへ来るはずだった人がいる。

悔しくて、かなしくて。
そんな思いが、何千人分とあるはずなのだ。
前を向いて生きていかなくてはいけない。
だけど、忘れてはいけないものも、あるはずなのだ。
自分がここに、こうして生きていることを感謝する。

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