>Requiem

その16・・・・レクイエム・・・

先月の更新予定日・・・
レクイエムを更新できなかったのは大阪の事件があったからです。
小学校で子ども達が襲われた、そのレクイエムをしようかと思ったのですが
事件があまりに他人事ではなく、語る言葉が見つからなかったのです。
朝、いつも通り送り出した子供が物言わぬ躯となって帰ってくる。
そんなことを誰が予想するでしょうか?
昨日まで、さっきまで元気に話していた人の命を奪われる。
それが、天災であっても事故であっても、事件であっても
周りの人にとっては深い悲しみです。
いや、悲しみさえ感じる事が出来ないかもしれません。
阪神大震災から、「心のケア」という言葉が頻繁に聞かれるようになりました。
心に深い傷を負った子供(あるいは大人)のいわば、手当をすることですが
とても難しいことのように思えます。
目に見えない心の事ですもの。
震災の時のように、多くの人が体験してしまった場合は
とても、きめ細かにすべての人に行き渡るとは考えられないし
当人が自覚さえない場合もあるでしょう。

私がこのコーナーを作るきっかけになった1つのニュース
それは数年前の被災地の様子で、復興住宅のマンションが建ち並び
プレハブの仮設住宅から次々と転居してくるお年寄り。
しかし、生活するには不便な仮設住宅でも、長屋的親しさがあって
住民同士の行き来やつきあいがあったのに、
マンションに入居してしまうとコンクリートのハコの中に閉じこもってしまって
重い鉄のドアを開けて出入りする人もいない・・・と言った光景でした。
外側から見ると、復興したように見えるけれども、心は置き去り・・・
そんな光景がとても悲しかったのです。
そう言う人が、あなたの隣にもいるかもしれないんですよ。
忘れないでね。
そう、誰かに伝えたかったのです。


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